2009.08.11 Tue
『遊撃手論』2009,矢崎良一,PHP
ジャイアンツのV9時代は、四番サードが花形であり、八番ライトがダメなヤツの定位置だった。そんな時代は過ぎ去り、イチローの登場でライトが外野手の人気ポジションに、古田の登場でキャッチャーがもっとも重要な役割を担うようになってきた。
現代野球においてショートとはどんな人材がつくポジションなのか、どんな役割を果たしていくのか、久慈照嘉監修のもと考察している。
野村監督の著書がたくさん出ているなかに、久慈という渋い選手を持ってきて、遊撃手についてという渋い内容の本。なかなかおもしろい視点だった。
野球を知らなくはないけど、実際にプレーしたことはそんなにないって人にはおもしろいと思う。宮本慎也選手や井端弘和選手が現役選手について結構辛辣な言葉を発しているのはなかなかインパクトがある。例えば、鳥谷敬選手をプロとしてギリギリ見ていられるレベルであるという趣旨の発言等々。
でも、正直言って読んでてあんまりおもしろいと思わなかった。というか得られるものがない。
自分がセカンドをやっていて、かなりの拘りがあるからかもしれないが、気持ち悪いくらいのオールドタイプ遊撃手信仰の価値観の主張を何度も何度も繰り返すだけ。
久慈がこう言う。
そして、宮本もこう言う。また井端も同様にこう言う。
って、わかったから、そう言いたくなる。
構成やスケジュールの問題もあるが、こうやって書くならなんで対談というカタチにしなかったんだろう、と思う。文中で発言者がコロコロ変わるからどれが誰の発言なのかがわからなくなる。
もっと話を絞って深いところまで書いてほしい。技術論なのか人間性なのか。
副題でもある「組織に求められる遊撃手的人材とは?」がわかったような、わからんまま。
オールドタイプ遊撃手ってのはある種セカンドに近い部分もあるはずなのに、申し訳程度に二塁手との関係性について書いてあるだけ。ユーティリティな選手のショートやセカンドとはどう違うのか、比較対象についても言及しないと内容が薄っぺら。
個人的には、セカンド・ショート・サードでゴールデングラブを獲得した立浪和義選手やショートの名手として小坂誠選手、セカンドの名手として仁志敏久選手、このあたりの人間性や役割を比較しながら書いてあるとめちゃくちゃ楽しいのにな。
正直、多少マニアックな内容なだけで週刊ベースボールの特集の方がおもしろい。
ただ、俄然野球がしたくなった。
その意味では買った価値があったのかも
- 2009/08/11(火) 18:40:09|
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